今日は珍しく、午前中にジョギングをした。暑くなりそうという予報が昨日から出ていたのと、仕事が混んでいるので、朝のうちに走っておいた方がいいと判断した。
いつものコースを走ったあとに、すぐ近くの公園を息を整えるため歩いていたら、花が落ちているのを見つけた。しかも2輪。あ、もしかしてこの花は……、拾い上げてから横の木を見上げると、幹に「ユリノキ」という札がついていた。やっぱり。ちょうど今、花がたくさん咲いているのだ。こんな所にユリノキがあったなんて知らなかった。
ユリノキは枝が高いところにあるから、僕は今まで花を間近で見たことがなかった。少し土がついていたけれど持ち帰ることにした。手のひらの中の花を眺めていて、つくづく思った。柔らかい黄緑と朱色の組み合わせ……この色は和の色だと。昔きっと誰かが、この花を見て和菓子とか着物の色を決めたに違いない。